事務所概要

概要

社名 一級建築士事務所 植松利郎建築設計事務所
開設者 植松 利郎
目的・内容

1.建築(新築・リフォーム等)の企画・計画・設計・監理・等
2.内装(インテリア・リフォーム等)の企画・計画・設計・監理・等
3.各種デザイン及び設計(プロダクト・緑化等)の企画・設計・監理・等

その他関係性のある研究及び業務

所在地

〒114-0004

東京都北区堀船3−26−20



電話:050-1164-3308(事務所直通・FAX兼用)

 

 

設立 2010年11月10日
所属 一般社団法人 日本建築学会、一般社団法人 発明学会
その他 グループ内連携
取引銀行 三菱東京UFJ銀行 王子駅前支店

建築の流れ

フロー

建築とは


建築の仕事は、依頼者・設計者・施工者等が一体となり作業を共有して、依頼者へ「成果品」をお渡しする仕事となります。お互いが見る見られる関係で高い意識で望みます。
設計者は、依頼者の代行で成果品である建築物を全ての面で関わり、依頼者にしっかりとお渡しする事が業務です。
施工者は、最良の工事をする為にこれまでに築かれてきた技を惜しみなく披露する事が業務といえます。
依頼者は、建築関係業者が行うことを色々な意味を持って見守って頂くこととなります。

建築の仕事の流れ


実際にどのような流れで業務が進行していくのかを、打合わせや料金の発生段階及びお支払いの時期等を記載させて頂きます。

1:ご相談(この段階での費用は頂きません。)


・お問い合わせ頂いた依頼者様とお会いしてご相談を伺います。この時に敷地測量図等の何か情報がございましたらお持ち頂くと良いです。

・依頼者様自身のことをよく理解させて頂き、どのようなことを今後、共に共有しお手伝いをさせて頂けるかを多方面からご相談を伺いたいと思います。また、プロジェクトにより「家づくりヒアリングシート」もお渡ししますのでご記入の上、当事務所にお送り下さい。

・ご相談及びこちらからのヒアリング等を致しますので、それを基に初回企画提案(「設計ノートブック」)をさせて頂きます。

・打合わせ内容により、今後の展開をご相談したいと思います。

2:企画・調査等(基本的にこの段階での費用は頂きません。ただし、業務内容によっては費用が発生致します。→当事務所外での業務、著作権に関わること等)


・当事務所で、依頼者様の「家づくりヒアリングシート」を受け取りましたら、家づくり調査・分析等を始めさせて頂きますが、その前に依頼者様へご連絡とお打ち合わせをさせて頂きます。

・現地調査と行政調査等を行う事となります。(必要経費等は実費をお願いする事がございます。)

・「家づくりヒアリングシート」・調査資料・お打ち合わせした際のお話などを基に「設計ノートブック」を作成し、基本計画を始める前に企画の方向性をご提案させて頂きます。

・「ご相談」「企画・調査」が無料相談の最後の段階となりますので、「設計ノートブック」等のご提案により当事務所の考え方を依頼者様にご理解頂いた上で、当事務所との設計契約の形をとらさせて頂いております。

3:基本計画及び設計監理契約(基本計画案より費用が発生致します。)


・基本計画段階に進みます。基本計画案(法規や詳細部分等も含め)を提案させて頂きますので、依頼者様とのイメージなどをより明確に共有しながら構想を練る事にしていきます。様々な角度と自由な発想等を踏まえまして、ご相談及びこちらからのヒアリング等をさせて頂きますので、ご一緒にライフスタイルや理想像の可能性を追求していきましょう。提案物は基本的に、平面図・立面図・断面図等の図面等を作成し大筋を決めていきたいと思います。また、多くの媒体を利用してプレゼンテーションをさせて頂くこととします。

4:基本設計


・基本計画段階で決定した案を基により具体的に、デザイン面〜機能面まで多岐にわたり検討していきます。また、サンプルやカタログ等を用い具体的な素材イメージ等を共有したいと思います。

・構造設計が必要な建築物でしたらこの段階で構造設計者に外注させて頂きます。

・設備設計が必要な建築物でしたらこの段階で設備設計者に外注させて頂きます。

・この段階で軸を決定し、今後の実施設計と建築確認申請へと進んでいきます。
(この先変更等を致しますと時間と場合によっては費用等も必要になるかと思いますので注意していきましょう)

5:実施設計


・実施設計は、工事の見積りを依頼する為に作成する、工事に必要な詳細設計図書となります。主に意匠図・構造図・設備図・各詳細図等からなり、何十枚と描く事になります。施工者に工事の見積りをお願いし、工事請負契約をした後はこの設計図書を用いて工事を進めていきます。これは監理にも必要で、関係者の共通言語となりますことからとても大切な役割があるものです。

6:見積り依頼


・施工者の選定方法は、設計図の内容を確実に把握し実行してくれるよき理解者となる施工業者を選定する事になります。これからずっとお付き合いをしていくため、技術はもちろん人間性から雰囲気までを見抜く事になります。選定方法は状況(予算関係や紹介等)により選択させて頂きます。

7:確認申請


・建築物を施工する際には、公的機関への建築確認申請(場合によって設備系や工作系等も含めて)をすることになります。この確認済証がないと建築することが出来ません。申請業務は依頼者様の代理人として当事務所が責任をもって行わさせて頂きます。

8:各種調整


・施工者より提出された見積り金額と内容を確認し、依頼者様と予算等の件でご相談をさせて頂きながら、必要に応じて調整出来る部分は調整し、適正な価格と信頼の置ける施工業者を決定し、更に最終の調整を行っていきます。

9:工事請負契約


・決定した施工業者と依頼者様との間で工事請負契約を締結して頂きます。

10:工事着工前


・各種準備と地鎮祭等を行い、土地と近隣の方にご挨拶をします。

11:工事着工と工事監理


・いよいよ工事の開始となります。工事監理は設計通りに工事が進めていられるかを定期的に検査し、施工業者と密接に打ち合わせを行いながら各関係者と関わりを持って、円滑に工事が進行するように工事の監理を行う事です。

・上棟式を行います。

・上棟時に中間検査、工事完了時に完了検査を受けます。

12:完成引き渡し


・建築が完成し、検査後に問題等がなければ、無事に依頼者様へお引き渡しとなります。

・不備等があるようでしたら適切に手直し・調整を行います。

・完成後に、依頼者様に差し支えがございませんでしたら、オープンハウスやホームページ等に掲載させて頂きたいと思います。


※1 基本的にはご相談の上とはなりますが、設計契約前の基本計画案のみのご提案をご希望の場合は、基本計画提案作成として有料(内容等にもよりますので、5万円〜)で行わさせて頂きます。
契約前に基本計画提案をさせて頂きますので、契約に至らなかった場合のみに発生する費用となります。契約に至った場合には、最初から設計を依頼して下さる場合は不要となり、規定の設計監理料に組み込まれる形となります。
※2 工事金額は工事契約時に決まりますが、工事中に金額等の変更がある事が多いため、最終的に確定される工事完了時に、設計監理料等の清算をさせて頂きます。

詳細につきましては、ご相談の上、決めさせて頂きます。


建築設計料

設計料(2012/08/02 現在)

建築の種類用途について



建築の種類用途による分類ですが、建築物は大きく分類して4項目に分けることができます。


1種 :工場・車庫・倉庫等の簡易なもの
2種 :工場・車庫・倉庫等の複雑なもの、事務所、大小規模の商店(物販)、共同住宅、体育
    館、スタジアム、学校、研究所、庁舎 等
3種 :銀行、美術館、博物館、図書館、公会堂、 劇場、映画館、オーディトリアム、スポーツ、
    クラブ、ホテル・旅館、大小規模の商店(飲食店)、病院・診療所、高級共同住宅等
4種A :個人住宅、別荘、店舗併用住宅、事務所併用住宅
4種B :普通の個人住宅(設計に手間のかからない住宅)


当事務所では、以下の設計報酬(現段階では基本的に住宅系は料率方式とし、その他は別算定方式とします)の考え方をさせて頂いております。(法改正・世情等による変更はありますので、その際には予告なく変更させて頂きます


・木造(2階)        :総工事の 12% (最低設計監理料 有)
木造(3階)及び非木造   :総工事の 10% (最低設計監理料 有)
・特殊住宅(付加申請・併用等):総工事の 15% (最低設計監理料 有)

・住宅以外建築物と他の建築業務:国土交通省告示による
・リフォーム・リノベーション等:12万円/坪〜   (最低設計監理料 有)
・店舗・インテリア・デザイン等:ご相談の上決定   (最低設計監理料 有)
・その他           :ご相談の上決定


(所在地、敷地状況、建築の種別、申請の有無、条件、工法、法規、規模、工期等の各諸条件等により、設計及び施工の難易度が変わりますので、最終的には、依頼者様とのご相談の上で決めていく事となります)


詳細は下記となります。(全て税抜)

<平成21年国土交通省告示第15号での算出方法>

① 実費加算方式:直接人件費+直接経費+間接経費+特別経費+技術料等経費+消費税相当額により算定。
② 略算方式:直接人件費×2.0+特別経費+技術料等経費+消費税相当額により算定。
(略算方式の場合に使用する人件費は、告示に示された「建物別による標準業務量」を参考とします。)



という算出方法を民間住宅等に採用しますと、当事務所の業務報酬としては高額となり、実情とはかけ離れてしまうことになります。(ただし、住宅系の部分単位の業務及び住宅以外建築物と他の建築業務等の場合には採用させて頂くことになります。)




当事務所では、基本的に工事予定金額(=予算)に対する割合を基に依頼主とご相談の上、設計・監理料を決めていきます。建築物の種類用途により業務の難易度が変わりますので、当事務所では下記をおおまかな目安として、ご相談により決定していくこととします。業務内容により、別の算定方法を採用するケースもございますので、ご相談下さい。


当事務所では、主に4種A(個人住宅、別荘、店舗併用住宅、事務所併用住宅)業務をさせて頂くケースが多いため、4種Aを基本として考えていくことにします。

1:新築住宅(木造2階建てまで) → 総工事費の 12% からとなります。その他に、構造計算や設備設計などを、別途費用として頂く事となります。
  (最低設計監理料は、設計料200万円+監理料50万円=250万円とさせて頂いております。)

2:新築住宅(木造3階建て・鉄骨造・RC造・混構造等) → 総工事費の 10% からとなります。その他に、構造計算や設備設計などを、別途費用として頂く事となります。
  (最低設計監理料は、設計料280万円+監理料50万円=330万円とさせて頂いております。)

3:特殊住宅(付加申請・併用等) → 総工事費の 15% からとなります。その他に、構造計算や設備設計などを、別途費用として頂く事となります。
  (最低設計監理料は、設計料350万円+監理料50万円=400万円とさせて頂いております。)



その他の建築物の設計料に関しましては、基本的に国土交通省告示によりますが、お問い合わせ頂ければと思います。






また、新築工事以外に関しましては下記を基にして、ご相談により決定していくこととします。

A:個人住宅・集合住宅等のリフォーム → 12万円/坪 から
  (最低設計監理料は、規模に応じてですが、90万円とさせて頂いております。また、内容の難易度及び確認申請等が必要となる場合にはご相談の上決定させて頂きます。)

B:その他のリフォーム・リノベーション・店舗・インテリア・各種デザイン等の設計・デザイン料に関しましては、お問い合わせ頂ければと思います。

C:その他で何かございましたら、お問い合わせ頂ければと思います。





・これに、各申請・行政検査手数料や各代行手数料・各種諸経費等が別途費用として加算される事となります。

・上記以外にも、別途費用が発生する事がございますので、お打ち合わせの際にお伝えする事と致します。(例えば、構造及び設備計算を必要とする建築物・地盤調査により地盤改良を要する建築物・敷地測量や地鎮祭・上棟式費用などの各種諸費用等)

・この他に特別に何かあるようでしたら、その都度ご報告させて頂きます。



※法規の改正や世情等により予告なく変更等させて頂く事がございますので、ご了承願います。

設計監理料のお支払い時期につきましては通常5回に分けております。


1 設計監理契約時 10%
2 基本設計完了時 20%
3 実施設計完了時 40%
(建築確認申請時)
4 上棟時 15%
5 完成引渡し時 15%


※1 基本的にはご相談の上とはなりますが、設計契約前の基本計画案のみのご提案をご希望の場合は、基本計画提案作成として有料(内容等にもよりますので、5万円〜)で行わさせて頂きます。
契約前に基本計画提案をさせて頂きますので、契約に至らなかった場合のみに発生する費用となります。契約に至った場合には、最初から設計を依頼して下さる場合は不要となり、規定の設計監理料に組み込まれる形となります。
※2 工事金額は工事契約時に決まりますが、工事中に金額等の変更がある事が多いため、最終的に確定される工事完了時に、設計監理料等の清算をさせて頂きます。

詳細につきましては、ご相談の上、決めさせて頂きます。

建築の物語

西洋編

001:西洋建築(古代)-古代オリエント:紀元前5000年頃には人類最初の都市が誕生した。そこには住居をはじめ、神殿・宮殿等が建てられたが後者は主に「記念性」を表現されたものが多い。(「記念性」は、高さによる・列柱の配置などで表現された)
この頃にはすでに組積式と架構式の構築方法が出現していたということである。


002:西洋建築(古代)-古代エジプト:ナイル川の氾濫や砂漠世界など、自然の力になす術もない当時のエジプトでは宗教観や世界観がそこから多くの影響を受け、「再生」という観念を導きだした。先王朝時代(紀元前5000年~2950年頃まで)から死者を地中埋葬する習慣があり、次第に墳墓を造り始める。この頃には存在している建築家イム・ホテプはマスタバと言う矩形底面を持つ立方体墳墓を造る。これを基に太陽信仰と王の威厳を表現するためマスタバを積み重ねていくことになる。多くの改良や拡張、技術の高度化が進み、ついには巨大なピラミッドが完成する。仕上材も最初の日乾煉瓦から石灰岩に変わり、当初は太陽光で光り輝いていたということである。


003:西洋建築(古代)-ギリシア建築(1):パルテノン神殿に代表されるギリシア建築であるが、本来は像を安置する神の建築物のため、内部に人が入ることはほぼなく、祭祀などは外部より行う。そのためにギリシア神殿は内部空間よりも外観が勝負になる。素材選択や視覚的な構成から遠近法、視覚補正技法など当時の最先端技術・思想を余すことなく注ぎ込まれている。神殿は基壇、円柱、水平の梁、切り妻屋根の三角破風から構成されこの構成形式をオーダーという。ドリス式・イオニア式・コリント式の3つのオーダー(後に2種類追加となる)があり柱頭部に特徴的なデザインが施される。


004:西洋建築(古代)-ギリシア建築(2):ギリシアには「ポリス」という都市概念もあり、各地で自治政治が行われていたようである。神殿のある神域「アクロポリス」という丘などの少し高い位置に城壁と共に設けられ、これは市域のどの場所からでも存在を確認出来るという意味合いを持っていた。また、「アゴラ」と呼ばれる役所などの行政機構、水道施設や図書館などの公共施設、市民が集う商業や交流の場となる広場施設が設けられ、ギリシア都市はこの「ポリス:神域」と「アゴラ:市民生活」が中心的存在としてバランスよく成立していた。
高度な知識と技術、そして、生活水準が形成されていたのである。


005:西洋建築(古代)-ローマ建築(1):約43.8mの球体を持つ有名ローマ建築の一つに「パンテオン」がある。古代ローマという時代にこれほどの巨大建築物が建造されるには幾つかの鍵となる構造技術が発達していたのである。ローマ式コンクリート、迫持ちアーチ、ヴォールト・ドーム等のアーチ構造。これまではアーチ構造と言えば石造であったがローマ式コンクリートがその役を担い、比較的加工が容易なコンクリートで力の伝達をコントロールしたのである。「パンテオン」のドームは下部は厚いコンクリート(凹みによる重量コントロール有)であるが上部は骨材の調整で薄くして重量コントロールをするという方法である。
また、ローマ式コンクリートの獲得により構造体としてのオーダーから装飾的要素の強いのオーダー(トスカナ式とコンポジット式)へと移り変わっていくのもこの時代の特徴である。


006:西洋建築(古代)-ローマ建築(2):人間同士、人間と動物など数々の死闘を演じる建築物として「コロッセオ」がある。外観的に4層の構成となり、3層までがアーケードで出来ており、下からドリス式、イオニア式、コリント式の円柱となり、4層目はピラスターと呼ばれる(壁面より浮き出した装飾用の柱で付け柱や柱形とも呼ばれる)多彩な様式を用いて構成されている。
また、「カラカラ浴場」に代表される皇帝のための浴場があり、ここでは運動施設や図書館、講義室などが付随し、文化的交流施設としての役割を担うものであった。
その他にも、古代ギリシアの「アゴラ」とほぼ同じ役割としての「フォルム」も公共広場として存在し市民の様々な活動に使用されていた。


007:西洋建築(中世)-古代・中世の過渡期建築:集会形式がキリスト教の宗教スタイルのため、集会を基準とする建築形式になる。古代ローマ時代に存在した「バシリカ式」という法廷や市場などの集会機能を兼備した公共建築物(長方形で建築物内部の柱廊で囲まれた広間を持ち、採光用の高窓が設けられる)の建築構成が採用された。また、「集中堂式」と呼ばれる中心点が存在する円や多角形のように、求心性・上昇感のある空間構成を持つ建築物も採用され、宗教スタイルに合致し、宗教思想を色濃く反映している。共に外観より内部空間を重要としているのも特徴である。
このように初期のキリスト教建築物には2つの形式(両形式を結合したものも現れた)が見られ、後世に引き継がれていった。


008:西洋建築(中世)-ビザンティン建築:東ローマ帝国(15世紀まで続く)の時代に創られた建築を指し、代表例がハギア・ソフィア大聖堂(イスタンブール)とサン・マルコ大聖堂(ヴェネツィア)である。特徴は箱状の空間の上にドームを乗せるという方法論に尽きる。この方法を解決するためには四角形の上に円形の基礎を設けていくことへ辿り着く。解決方法が主に3つあり、1:スクィンチ(四角形の隅部に火打梁を設け、その上にドームを乗せる)、2:トロンプ(スクィンチ部分をアーチとしてそこをコーン型のヴォールトにして塞ぎ、その上にドームを乗せる)、3:ペンデンティブ(より高度な工法であるが正方形に半円球を置き正方形の各辺の半円球を切り落とすとアーチが出来、アーチとアーチの間に球面状の三角形が出来上がる。それを利用してドームの基礎を設け乗せる)となる。矩形状から円形ドームへと流れる様な構成へと行き着くのは当時では容易な事ではなかったであろうが実際には存在し現代人を魅了し続けている。


009:西洋建築(中世)-ロマネスク建築1:ローマ帝国内に蛮族が侵入し混乱の中で産まれた11世紀ヨーロッパのキリスト教建築である。この時代には、宗教・政治・学問・生産の拠点として多くの修道院が造られ、内部の教会堂はバシリカ式(長方形で建築物内部の柱廊で囲まれた広間を持ち、採光用の高窓が設けられる)が主流となる。その後、木造小屋組で造られていた天井工法が石造りのヴォールト(小さな部材同士の圧縮軸力で構造が成り立ち、そのアーチ断面を水平方向に連続させたもの)で造られるようになる。ヴォールトにはトンネル式と交差式等があり、主に身廊にはトンネル式、側廊には交差式などと部分用途により使い分けていた。ロマネスク建築では、ヴォールトは最終的には外壁で受けることが多いため外壁はぶ厚いものになる。
この他に新形式としてのバシリカ式として、トリヴューン(二階廊)を持つ二層構成の建築物もある。(代表例:サンチャゴ・デ・コンポステッラ大聖堂 スペイン)


010:西洋建築(中世)-ロマネスク建築2:ロマネスク建築は、ロマネスクの時代が地方の自治と独立を自覚し始めた時期であることから、ドイツ・フランス・イタリア・スペインなどという各地で、多くの要素と絡み関係し合いながら各々が独創的に進化、発展させていく。このように自立を自覚した事により地元の職人達が地方特有の素材と技術・構法等を地方色豊かに反映させながら建設していったのである。風土・地域に根付いた建築物である「ロマネスク建築」は、地産地消の先駆けである。


011:西洋建築(中世)-ゴシック建築1:特徴は、1尖頭アーチ・2リブヴォールト・3フライングバットレス(飛梁)などの構成要素を持つ建築物である。ゴシック様式建築は大聖堂として発展した都市に建てられ、これら大聖堂は一般人のための建築物であった。大聖堂の前には都市の生活に密接した多くの活動が繰り広げられる広場があり、大聖堂内部には大きな空間と高さと光を存分に与え、宗教的な意味合いをも感覚的に一般人に伝えるべきものであった。
ロマネスク建築で培った技術と構法などを上手く取り入れていったが、先述した3つの特徴を駆使して線状系構造体とそれ以外の部分は壁を取り去りそこに多くの開口部を設けるなど、全く異なる空間を構築していったのである。


012:西洋建築(中世)-ゴシック建築2:別名フランス様式とも言われたゴシック建築であるが、フランスの情勢などにより、徐々にイギリスやドイツなどにも広がっていく。当初はフランスの模倣に近かったが次第に各国のオリジナルな色を取り入れていき国際的な様式にまでなった。例えばイギリスでは「リブ」と呼ばれる補強部材要素に力を入れた。ドイツ地方でも「リブ」に装飾的要素に力を入れるが、建築物内部の側廊や身廊などの高さを統一して大屋根を覆ったり、あえて単塔にしたりと独自色を出している。


013:

その他

その他

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